AI にコードを書かせると、動くツールはすぐできます。ただ、パスワードや API キーの置き場所は誰も決めてくれません。私の場合、WordPress のパスワードが設定ファイルに平文で残っていました。
この記事は、2024年から 1Password を使ってきた感想と、AI に書かせたコードの鍵の置き場所を 1Password で塞いだ実践の記録です。買った経緯と普段使いから順に書きます。
先に結論:買っていい人・いらない人
◎ 買っていい人
- iPhoneとWindowsのように、OSをまたいでパスワードを使う
- AIにコードを書かせていて、APIキーやパスワードの置き場所が決まっていない
- パスワード・ワンタイムパスワード・パスキーを1か所にまとめたい
✕ いらない人
- ブラウザやOS内蔵のパスワード管理で足りている
- APIキーを扱わず、固定費を増やしたくない
- 無料で済ませたい(1Passwordに無料プランはありません)
2024年に3年版を9,980円で購入 → iPhoneとWindowsで2年使用 → いまはAIに書かせるコードの鍵の管理も任せています
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そもそもなぜ 1Password を買ったか
先に断っておくと、AI のために買ったわけではありません。iPhone と Windows という組み合わせで、OS に縛られないパスワード管理が欲しかったからです。
Apple のパスワード管理は Apple 製品の中では快適です。ただ、母艦が Windows だと途端に使いにくくなります。逆に Windows 側へ寄せると iPhone が不便になります。どの OS でも同じように使える独立したパスワード管理を探して、行き着いたのが 1Password でした。
時期の後押しもありました。2024年は新NISAが始まった年で、私も投資の勉強を始めたところでした。証券口座を持つと、パスワードの重みがそれまでと変わります。リベラルアーツ大学の両学長が 1Password をすすめているのを見たことも、たぶん背中を押しています。
正直、パスワード管理にお金を払うことには抵抗がありました。無料で済む手段はいくらでもあるからです。それでも利便性を取ると決めて、2024年にソースネクスト版の3年ライセンスを 9,980円 で買いました。結果としては買ってよかったと思っています。
普段のパスワード管理としてどうか
日常の道具としての出番が圧倒的に多いので、まずこちらから書きます。パスワード周りの管理は、すべて 1Password に寄せられます。
- パスワードは全部 1Password に集約。覚えるのはマスターパスワード1つ
- 新規登録のとき、ランダムなパスワードを自動生成してそのまま保存できる
- ワンタイムパスワード(2段階認証の6桁コード)も項目ごとに保存でき、認証アプリを別に開かなくてよい
- パスキーにも対応していて、対応サイトならパスワード自体を持たずに済む
iPhone でも Windows でも同じ保管庫が開きます。端末を買い替えても乗り換え作業がないのは、混在環境の人間には大きいです。2年使って、ここまでは「よくできた有料のパスワード管理」という感想でした。
AI にコードを書かせると、秘密情報が散らばる
ここに来て、想定していなかった役割が1つ増えました。AI に書かせたコードの、鍵の置き場所です。
AI にツールを書かせる作業を続けると、API キーやパスワードが設定ファイルとチャット履歴に平文で残ります。放っておくと増え続けます。
きっかけは WordPress の投稿ツールでした。Claude Code に作らせたツールが動いた後で中身を確認したら、WordPress のパスワードが ~/.claude.json に平文で入っていました(2026年8月)。動かすことを優先すると、AI は一番手軽な場所に鍵を置きます。
しかも AI との作業では、鍵の通り道が増えます。設定ファイル、環境変数、チャットに貼ったコマンド、ツールの実行ログ。どれも後から見返せる場所です。1か所ずつ潰すより、置き場所を最初に1つへ決める方が早いと判断しました。
1Password にどう集約したか
やったことは3つです。
- 認証情報をすべて 1Password の保管庫(vault)に入れる
- リポジトリや設定ファイルには
op://という参照だけを書く(値そのものは書かない) - ツールは環境変数を読むだけにして、実行時に
op runをかぶせる
例えば WordPress 投稿ツールの場合、環境変数ファイルにはこう書きます。
WP_APP_PASSWORD="op://automation/wordpress/password"
これは「1Password の automation という保管庫にある、wordpress という項目のパスワード」を指す住所です。実行はこの1行です。
op run --env-file=wp.env.op -- python wp_post.py
実行の瞬間だけ 1Password が値を取り出して、環境変数に入れてくれます。ファイルに残るのは住所だけなので、リポジトリごと人に見せても鍵は漏れません。AI に見せても同じです。
つまずいた点が2つ(CLI まで踏み込む人向け)
ここまでの手順は簡単そうに見えますが、実際には2か所でつまずきました。コマンドラインや自動実行まで踏み込む人向けの注意書きとして残しておきます。
1つ目はサービスアカウントの権限です。 1Password には、人がログインしなくてもツールが保管庫から鍵を取り出せる「サービスアカウント」という仕組みがあります。この権限は、作った後から変更できません。私は後から書き込み権限を足そうとして詰み、作り直しになりました。最初に用途を洗い出してから発行することをおすすめします。
2つ目はツールの画面出力です。 ツールが画面に出した文字は、AI との会話ログに残ります。トークンを表示する処理を AI 経由で実行すると、その値が会話履歴に載ります。1Password に集約しても、出口から漏れては意味がありません。秘密を表示する処理は、AI から実行する経路と分けています。
ちなみに 1Password は SSH 鍵の管理も引き受けられますが、私はそこまでは移していません。利便性と安全性のトレードオフをどこで区切るかという話で、私の環境では鍵だけ従来どおり自分で管理する方が楽だったからです。全部を集約しなければいけないわけではありません。
正直な欠点
勧める記事だからこそ、欠点を先に確認してください。
- 値段は安くありません。しかも値上がりしました。公式の個人プランは年額 35.88ドルから 47.88ドルへ値上げされています(新規契約は2025年11月17日から。既存ユーザーも2026年3月27日以降の契約更新から新料金)。私が2024年に 9,980円 で買った3年版と同じものが、2026年8月時点の Amazon では 17,980円 です
- 無料プランがありません。試すなら無料トライアル期間だけです
- CLI とサービスアカウントの権限設計には癖があります。上に書いたとおり、権限は後から変えられません
値上げは正直痛いです。ただ、パスワードも二段階認証もパスキーもここに集まっている以上、いまさら手放す選択肢がありません。私は次の更新も普通に払うつもりです。
一方で、ブラウザ内蔵のパスワード管理で困っていない人には、この固定費を払う理由がありません。API キーを扱わない人も同じです。
どこで買うか。買い切り3年版という選択肢
私はソースネクスト版の3年ライセンスを使っています。2024年の購入時は 9,980円でした。同じものが 2026年8月時点の Amazon では 17,980円です。値上がりはしましたが、公式サブスクの新料金(年額 47.88ドル)を3年分払うと約144ドルなので、為替が1ドル130円台でも3年版の方が安い計算になります。
3年分の料金が円建てで固定されるのも、値上げが続いている今の状況では利点です。契約中に値上げが来ても、次の更新まで影響を受けません。
1Password(ソースネクスト版・3年)をAmazonで見る
月々の支払いで小さく始めたい場合は、公式のサブスクリプションもあります。どちらで買っても中身は同じ 1Password です。
まとめ:鍵の置き場所を決めると、AI に任せる手が軽くなる
まとめ
- 1Password は OS に縛られないパスワード管理。iPhone×Windows の混在環境で2年使っている
- パスワード・ワンタイムパスワード・パスキーを1か所に集約できる
- AI にコードを書かせる人は、鍵の置き場所を op:// 参照に1本化できる(平文が消える)
- 値段は高めで値上がりもした。円建てで固定できる3年版が対抗策
パスワード管理を1つに決めてから、AI に何かを作らせるときの迷いが減りました。「この鍵、どこに置こう」と毎回考えなくてよいからです。
iPhone と Windows の間で困っている人、AI に書かせたコードに鍵が転がっている人には、値段分の働きがあると思います。繰り返しますが、ブラウザ内蔵で足りている人は買わなくて大丈夫です。自分の環境と照らして判断してください。
このブログは1円稼ぐまでの実験として始まり、いまは AI に関わる商材やツールを自分の作業で検証しています。「AIオフィスの育て方」や「軍配」のレビューも、同じ流儀で書いたものです。
記事中の価格はすべて執筆時点(2026年8月)のものです。変わる可能性があるので、最新の価格は Amazon の商品ページで確認してください。
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